これからの1年に向けて~情報量の増大に対応しうる仕組みを

弁護士堀康司(常任理事)(2002年11月センターニュース176号情報センター日誌より)

  2000年11月に医療事故情報センターの嘱託となってから、今月でちょうど丸2年が経過しました。当初予定の任期は2年間となっていましたが、当面もう1年、従来同様に嘱託職を務めることになりました。


  この2年の間、医療界と法曹界がかつてない変革期を迎えたことに追われるように夢中で走ってきましたが、新たに手をつけてみたものの明確な形にできていない案件も数多く、大変忸怩たる思いで毎日を過ごしています。


  今年に入り、各裁判所がweb上で重要判決を速報するようになりました。医事関係訴訟委員会や医療過誤集中部、さらには各地裁における地元医療界との協議会等の動向に関しても、今後数多くの重要な情報が発表され続けることでしょう。近い将来、より多数の医療関係者が鑑定人や専門委員として訴訟の現場に参入する可能性があり、それら専門家の質に対して厳しい監視を加えるためにも、鑑定事例等の情報分析は欠かせません。


  このように、私たちが入手しうる情報も、そして入手すべき情報も、ともに増加の一途をたどることが予想されます。


  これからの1年は、増大する情報を迅速に分析して活用可能とする仕組みの構築を、嘱託としての最も重要な課題と位置付けて日々試行錯誤を重ねていくつもりです。各地の皆さんのお知恵をお借りできると幸いです。


  あらためて、これからの1年間、よろしくお願いいたします。