平成17年の医療過誤訴訟の概況~最高裁の統計より

弁護士園田理(常任理事)(2006年6月センターニュース219号情報センター日誌より)

 

 最高裁から平成17年の医事関係訴訟統計(速報値)が発表されました。

※グラフはこちらをご参照ください。
060601センターニュースNo.219.pdf
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新受、既済、未済の件数

  平成17年の新受件数(地裁で新たに提訴された件数)は999件。平成16年より100件余り減り、平成15年の水準に戻りました。増加が頭打ちの状態になってきたようです。

診療科目別割合

  新受件数のうち診療科目別の割合は、平成16年、平成15年と比較しても大きな変化は見られませんでした。

平均審理期間

  平成17年の既済事件の平均審理期間は26.8ヶ月。

  審理期間の短縮化傾向は続いていますが、平成15年より短縮幅がやや鈍化しつつあります。

判決と和解の比率

  平成17年の既済事件の終局区分のうち判決は37.4%、和解は50.0%。判決の割合が減り、その分和解の割合が増える傾向が見られます。

認容率

  判決の勝訴率(一部認容を含む)は37.8%。やや低下気味ですが、ここ10年間ほぼ4割前後を推移しており、大きな変化ではないようです。