医療の質・安全学会学術集会に参加してきました

柄沢好宣(常任理事)(2025年12月センターニュース453号情報センター日誌より)

第20回医療の質・安全学会学術集会

 2025年11月8日~9日に、京都市勧業館みやこめっせにおいて、第20回医療の質・安全学会学術集会が開かれました。

 私は、11月8日に行われたパネルディスカッション「もう一度、あるべき姿を意識して、患者中心の視点から医療安全を考え直そう ~インフォームドコンセントの視点から~」にパネリストとして参加して参りましたので、その概要等を感想とともにご報告いたします。

あるべきインフォームド・コンセントとは

 パネルディスカッションの前半では、田畑雅央氏(東北大学病院医療安全推進室)から、医師と非医療者を対象にしたインフォームド・コンセント(IC)に関する認識の比較調査の結果について、豊田郁子氏(患者・家族と医療をつなぐNPO法人架け橋)から、患者遺族・医療対話推進者としてICに求めるものについて、出羽あゆみ氏(島根大学医学部附属病院)から、ICの場面で看護師が担うべき役割について、それぞれ報告がありました。私からは、私自身の経験も踏まえながら、ICの際には患者だけでなく、医師としての悩みも率直に共有いただくことが重要ではないかというお話をさせていただきました。

 パネルディスカッションの後半では、それぞれの報告を踏まえた上で、説明文書のあり方やICに関する教育について意見交換がなされました。

 ICは、医療従事者や患者・家族はもちろんのこと、我々弁護士にとっても重要でありながら難しいテーマのひとつです。90分という時間が本当にあっという間に感じられるほど、非常に充実したパネルディスカッションでした。

感動と期待と自戒

 パネルディスカッション終了後、松村由美大会長(京都大学医学部附属病院医療安全管理部)の大会長講演をはじめ、他の企画での発表等も伺って参りました。学会というものに参加したのは今回が初めてでしたが、こんなにも多くの方々が、それぞれの職種の垣根を越え、事務職の方に至るまで、真剣に医療安全に取り組んでおられることに、心から感動しました。

 最近では、医療機関の経営が厳しいという話も耳にするようにもなり、医療の安全は今後どのように確保されていくのだろうかと漠然とした不安も感じていましたが、こうした方々に支えられている限り、医療安全が歩みを止めることはないと確信と期待を持つこともできました。

 当日は、医療過誤 原告の会の宮脇正和会長もお見えになっており、私のような立場の弁護士がこうした学会で登壇できるようになるほどに医療界は変わってきたと、熱のこもった言葉をかけていただきました。医療安全元年と呼ばれる1999年から四半世紀が経ち、今回、そうした局面に立たせていただけたことを改めて光栄に感じましたが、その一方で、ここまで先輩諸氏が築いてこられた信頼をここで崩してしまってはならないと、自戒の念も強くしました。

謝辞

 今回の学会参加は、私にとって非常に大きな経験となりました。お声がけいただいた深見達弥先生(島根大学医学部附属病院医療安全管理部)に、改めて感謝申し上げます。