柄沢好宣(嘱託)(2025年2月センターニュース443号情報センター日誌より)
本年もよろしくお願いいたします
2025年を迎えました。皆さまのお手元に本号が届くのは、既に2月に入ってしまっているかと思いますが、本年もどうかよろしくお願いいたします。
2025年の今年は、医療事故調査制度の運用が始まって10年という節目を迎えます。本稿では、新年のご挨拶に代えて、医療事故調査制度に関する近時の動向等をいくつかご紹介したいと思います。
「医療安全の更なる向上を目指す検討会」設置
2024年10月、日本医療安全調査機構は、「医
療の更なる向上を目指す検討会」を設置した
ことを公表しました(https://www.medsafe.or.jp/modules/news/index.php?content_id=352)。
機構が公表している設置要綱(https://www.medsafe.or.jp/uploads/uploads/files/youkou10th.pdf)によれば、検討会は、制度施行10年の節目となる本年10月に向けて、医療事故調査制度の運用の検証や機構の組織・支援のあり方等について検討することが設置の趣旨とされています。具体的な検討事項としては、医療事故調査・支援センターの事業の現状分析と課題整理、その課題に対する具体策の検討等が挙げられています。
議事概要はまだ公開されているものはないようですが(設置要綱によれば、議事概要や報告書が公開されることになっているようです)、よりよい制度運用に向けての検討が期待されます。
「院内事故調査報告書の公表に関する意見」を公表しました
2024年11月、医療事故情報センターは、
「院内事故調査報告書の公表に関する意見」を公表しました。
意見の趣旨や内容については、医療事故情報センターのホームページ(https://www.mmic-japan.net/2024/11/29/opinion/)でご覧いただけますし、本稿1月号にも掲載しておりますので、ご参照ください。
提言第20号「血液検査パニック値に係る死亡事例の分析」公表
2024年12月、日本医療安全調査機構から、医療事故の再発防止に向けた提言第20号「血液検査パニック値に係る死亡例の分析」が公表されました(https://www.medsafe.or.jp/uploads/uploads/files/teigen20.pdf)。
この分析は、死亡に至った過程で血液検査パニック値が関与していた12例を対象に行われ、パニック値の項目と閾値の設定、パニック値の報告、パニック値への対応、パニック値の表示、パニック値に関する院内の体制整備の5つの項目が提言されています。
こうしたひとつひとつの事例分析の積み重ねが、医療安全の更なる向上につながっていくことでしょう。
総会記念シンポにもご期待ください
医療事故情報センターでは、例年開催しております総会記念シンポジウムを、本年5月にも開催する予定です。詳細は現在調整を進めているところですが、医療事故調査制度10年をテーマとしたシンポジウムを企画中です。
必ずや充実したシンポジウムとなるものと思いますので、こちらも是非ご期待ください!